「100%悪気はなかった」「意図の問題ではない」 加藤の失格問題、大会対応に賛否両論 

女子ダブルス3回戦で大会関係者から説明を受ける加藤未唯(左)、アルディラ・スーチャディ組。失格となり、敗退した=パリ(共同)
女子ダブルス3回戦で大会関係者から説明を受ける加藤未唯(左)、アルディラ・スーチャディ組。失格となり、敗退した=パリ(共同)

女子テニスの加藤未唯(28)=ザイマックス=が4日にパリで行われた全仏オープン女子ダブルス3回戦で失格になった問題で、大会側の対応を批判する意見が欧州メディアで相次いでいる。一方で、今回の失格をめぐり、男子のトップ選手が会員制交流サイト(SNS)で「意図の問題ではない」と持論を展開するなど、ほかの選手も巻き込んだ騒動へと広がっている。

議論の対象となったのは第2セット途中の場面。ポイントの間に、加藤が相手コート側に送った球がボールガールを直撃し、審判から「危険な行為」とみなされて失格になった。

衛星放送チャンネル「EURO SPORT」(電子版)は、全仏オープンの男子シングルスでの準優勝経験があるスペイン出身の元プロテニス選手、アレックス・コレチャ氏の談話を紹介。コレチャ氏は「彼女(加藤)の球はボールガールにぶつかったが、100%悪気はなかったと思う」と指摘した上で「判定を尊重する必要はあるが、そこ(失格)までするほどひどいものではなかった」などと大会側の対応を疑問視した。

また、仏紙「レキップ」(電子版)は「ローランギャロス(全仏オープンの会場名)での加藤の失格について『大会側は謝罪すべきだ』」との見出しで、地元出身の女子選手の談話を紹介しながら大会側の対応を批判した。

ニック・キリオス=ウィンブルドン(共同)
ニック・キリオス=ウィンブルドン(共同)

ニック・キリオスもSNSで〝参戦〟

一方、この騒動に〝参戦〟してきたのが、昨年のウィンブルドンの男子シングルスで準優勝したニック・キリオスだ。キリオスは5日、自身のツイッターを更新し、「(選手の)意図の問題ではなく、子供にボールを当ててしまった場合は不履行(棄権)になる」と持論を展開した。

英紙「デイリー・メール」(電子版)は「この問題についてある関係者は、2020年の全米オープンで、線審ののどにボールを当てたノバク・ジョコビッチの失格にたとえた」と指摘。「たとえ本意ではなかったとしても、行動に対しては責任がある」とする関係者の談話を紹介した。(浅野英介)

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