駐日オランダ大使館は5日、2025年大阪・関西万博に出展するパビリオンの概要を発表した。共に分かち合い、新しい価値を生み出すとの意味を込めた「コモングラウンド」をテーマに、再生可能エネルギーに関する展示を行う。施設の中央には、「次世代への太陽」と呼ぶ直径11メートルの象徴的な球体を設置する。
パビリオンの建物は延べ床面積1185平方メートルで、「新たな幕開け」と命名。来場者は球体を中心に2階建てと3階建ての建物を行き来する。球体は昼夜とも点灯させ、内部に入ることができる。使用する素材は再利用できるものが中心となるが、具体的な素材については検討を進めている段階。台風や地震、会場の人工島・夢洲(ゆめしま)の地盤も考慮し、なるべく軽量にするという。
施設内では、水素など再生可能なクリーンエネルギーを水から生成するオランダの新技術を紹介予定。万博に先行し、日本とオランダで社会課題について検討するキャンペーンを実施し、そこで得られたエネルギー転換やDX(デジタルトランスフォーメーション)などに関する解決策も示す。
この日の発表会見で、マーク・カウパース在大阪オランダ総領事は万博について「異なる視点や専門知識、アイデアを組み合わせることで、グローバルな課題に対し、革新的ですぐに活用可能な解決策を生み出すことができると信じている」と期待感を示した。(井上浩平)