ロシア国防省は5日未明、ウクライナ東部ドネツク州南部で4日、ウクライナ軍が露軍の防衛線を突破しようと大規模な攻撃を始め、露軍がこれを撃退したと発表した。露国防省によると、ウクライナ軍の攻撃には2個の戦車大隊と6個の機械化大隊が参加。露軍はウクライナ軍に250人以上の損害を与え、戦車16両を破壊するなどした。ウクライナ軍の攻撃は、本格的な反攻作戦の一環である可能性がある。
一方、ウクライナ軍は5日朝、「ロシアはウクライナ国民の士気低下を狙い、わが軍の損害などに関して虚偽の情報を拡散している」との声明を出した。露国防省の発表を念頭に置いたものだとみられる。
米シンクタンク「戦争研究所」は4日、ウクライナ軍がドネツク州に加え、南部ザポロジエ州でも攻勢をかけ、一定の前進に成功したもようだと指摘した。ザポロジエ州は、ロシアの実効支配下にある南部クリミア半島と露本土を結ぶ「回廊」の一部を構成する重要地域。ウクライナ軍の反攻で主目標となる可能性が指摘されてきた。
プーチン露政権の打倒を掲げてウクライナ側で参戦し、露西部ベルゴロド州への越境攻撃を行ってきたロシア人義勇兵組織は4日、再び越境作戦を行い、複数の露軍兵を捕虜にしたと発表した。義勇兵組織はグラトコフ州知事に捕虜交換を呼び掛けたが、知事が指定場所に現れなかったため、捕虜をウクライナ側に引き渡すとした。