体調不良を理由に降板した鈴木京香に代わり、7月スタートの木曜劇場「この素晴らしき世界」(木曜後10・0、フジテレビ系)の主演を務めることになった若村麻由美(56)がこのほど、クランクインした。
ドラマは、平凡な生活を送る“主婦“が、ひょんなことから芸能界で活躍する“大女優“になり、二重生活を強いられる“なりすましコメディー”で、パート主婦・浜岡妙子と大物女優・若菜絹代の一人二役を演じる若村は、ス-パーマーケットの野菜売り場で最初の撮影に入った。
白いカットソーにエプロン姿というラフないでたちで登場した若村は「これから(1クール)よろしくお願いします!」とあいさつ。スタッフの誰よりも大きな声に、急きょ出演を決めた決意のほどが見られた。
若村は、仲代達矢主宰の「無名塾」出身で、同局の連続ドラマ主演は時代劇「夜桜お染」(2003~04年)以来20年ぶり。ドラマに出演する木村佳乃、沢村一樹、マキタスポーツとは初共演となる。
約30年前、駆け出しのプロデューサー時代に企画した作品であることを明かした同局・鈴木吉弘氏は、さらに「今回は大人の俳優さんたちを集めたい」という提案も重ね合わせた。
キャスト交代にあたっては「多少せりふの言い回しや語尾などを変更し、脚本を書き直して新しい決定台本を作った。物語全体については全く変わっていない」と説明し、今年2月には最終回までの台本が出来上がっていたという。
初顔合わせとなる若村についても「この役は“平凡な主婦“と”大女優“という二役だけではなく、“主婦がなりすました女優”という中間の一面もあり、とても多彩な表現が求められる。若村さんのさまざまな作品を拝見したが、役柄ごとに見事に違いを演じ分け表現されているので、この難しいキャラクターも面白く見せてくださると確信」と安心している。
そして、物語に込める思いをこう語った。
「荒唐無稽なコメディーだが、主人公が純粋な目線だからこそ見える異世界の奇妙なことに気づき、それを“世直ししていく“という内容でもある。これは、私たちの生きる社会の問題についても同じで目を背けず、無関心にならずに“自分のできる範囲で直していこうよ”というメッセージになれば」
(産経デジタル)