スイスの金融大手、UBSは5日、同業クレディ・スイスの買収手続きを12日にも終えると発表した。クレディは上場廃止となる。3月の米シリコンバレー銀行破綻の影響で経営危機に陥ったクレディを救済合併し、事業拡大で成長を目指す。
クレディは信用不安が深刻化し、3月に資金流出が加速。世界的な金融危機に発展することを恐れたスイス政府が合併を促した。クレディの株式22・48株とUBSの1株を交換する。
クレディは資金の運用に失敗した米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントとの取引で2021年に巨額損失を計上し、経営再建中だった。今年3月に過去の財務報告の内部統制に「重大な弱点」があったと明かし、株価が暴落した。(共同)