日本が実用化を目指す日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町)が原子力規制委員会の再稼働審査に「合格」した。常陽は、平成28年に廃炉が決まった高速増殖原型炉「もんじゅ」の前段階に位置付けられる研究施設だが、その活用法を巡り国内のみならず、海外からも大きな期待が寄せられている。旧世代の高速実験炉が今、なぜ世界の注目を集めるのか。
エネルギー政策の根幹
「『常陽』の運転再開によって得られる知見を活用していくことが重要と認識している」。松野博一官房長官は5月24日の記者会見で、再稼働の前提となる規制委の審査に事実上合格したことについて、こう期待感を示した。