阪神才木、佐々木朗に投げ勝ち完封 岡田監督「本当の投手戦」

初の9回完封勝利を達成した阪神・才木浩人=西宮市・甲子園球場(林俊志撮影)
初の9回完封勝利を達成した阪神・才木浩人=西宮市・甲子園球場(林俊志撮影)

2点リードの九回、阪神の才木は2死からロッテ打線に連打を浴び、二、三塁と一打同点のピンチを招いた。「しっかり決めたいなと思って、もう気持ちで投げた」と最後はぴしゃりと3球三振。3安打12奪三振での完封勝利に「最後はすごいドキドキしたけど、ゼロに終わってよかった」と笑みがこぼれた。

球界を代表するロッテの佐々木朗との投げ合い。序盤は直球を軸にぐいぐい攻めた。一回はわずか6球で三者凡退。2巡目以降は変化球を交えながらロッテ打線を翻弄し、八回までに許したのは、二回のポランコの内野安打のみと完璧な内容だった。佐々木朗も五回まで無安打と力投していたが、「自分の投球に集中した」と力を込めた。

六回の時点で最後まで投げさせるつもりだったという岡田監督は「ゼロに抑えようという気持ちが伝わってきた。本当の投手戦」とうなった。昨年9月1日の広島戦で六回途中降雨コールドで完封勝利を収めた経験はあったが、九回を投げきっての完封は初。2020年オフに右肘の靱帯(じんたい)再建術を受けた右腕にとって、大きな自信となる1勝だ。

前日は4時間19分に及ぶ延長戦。9連戦の初戦で救援陣もタフな試合となっただけに、右腕は「(救援陣を)ちょっとでも休ませられれば」との思いだったという。指揮官も「1人で投げて勝つのは大きい」と賛辞を惜しまなかった。(嶋田知加子)

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