【ワシントン=坂本一之】米インド太平洋軍は3日、台湾海峡を通過していた米海軍のミサイル駆逐艦チャンフーンに対し中国軍艦艇が約140メートルの距離まで接近したとして危険な行為を非難する声明を発表した。声明で「米軍は国際法が許す場所であればどこでも安全かつ責任を持って飛行、航行、作戦を行う」と述べ、台湾海峡での航行を継続する姿勢を強調した。
チャンフーンは現地時間3日、国際法に基づき台湾海峡をカナダ海軍のフリゲート艦モントリオールと南から北に通過していた。声明によると、近づいてきた中国軍艦艇がチャンフーンの船首から約140メートルの距離を横切るなどした。
チャンフーンは衝突を回避するためコースを維持しつつ減速した。「国際水域における安全な航行のルールに違反する」と指摘し、中国軍の「危険」な行為を批判した。
米インド太平洋軍はチャンフーンとモントリオールの台湾海峡通過に関する発表で、その目的について「自由で開かれたインド太平洋に対する米国や同盟国などのコミットメントを示すものだ」と説明した。
南シナ海の上空では現地時間5月26日に国際空域を飛行していた米空軍の電子偵察機RC135の正面を中国軍戦闘機「殲16」が横切り、飛行を妨害したとして米軍が批判していた。