天安門事件から34年 犠牲者遺族は「謝罪と懺悔を待つ」

北京の天安門を訪れた観光客ら=4日未明(共同)
北京の天安門を訪れた観光客ら=4日未明(共同)

【北京=三塚聖平】中国で学生らの民主化運動が武力鎮圧された天安門事件から4日で34年となった。犠牲者追悼や責任追及の動きを阻止するため、中国当局は今年も厳戒態勢で臨み、北京市内の事件と関係する場所では多数の警官らの姿が見られた。

天安門広場から西に約6キロの場所に位置する木樨地(もくせいち)の地下鉄駅周辺では3日夜、無線機を携帯した私服警官とみられる男女が優に100人を超える規模で配置されていた。木樨地は、1989年6月3日深夜から4日未明にかけて人民解放軍部隊と市民が衝突、多数の死傷者が出ており、遺族らによる追悼活動を警戒した措置とみられる。路上で立ち止まる通行人に厳しい目を向けていた。

事件の遺族グループ「天安門の母」は4日までに発表した声明で、「われわれは、政府が事件の犠牲者遺族に謝罪し、人民にざんげすることを待つ」と求めた。「政府は、人々の心の中の残酷な事実の記憶を消そうとしている」と批判した。声明は116人の連名で、この1年間で7人の遺族が死去したという。

習近平政権は、天安門事件に関して武力鎮圧を正当化している。中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道官は2日の記者会見で、天安門事件から34年を迎えるにあたり、事件は「政治風波(騒ぎ)」だったとし「中国政府は既に明確な結論を得ている」という従来の主張を繰り返した。その上で「(事件を)口実に中国を中傷し、内政干渉するいかなるたくらみも目的を達することはない」と強調した。

天安門事件34年 殺戮の事実認め謝罪せよ

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