ウクライナで長距離攻撃の応酬激化

5月12日、ウクライナ南部ザポロジエ州でロシア軍に向けて多連装ロケット砲からロケット弾を発射するウクライナ軍兵士ら(ロイター=共同)
5月12日、ウクライナ南部ザポロジエ州でロシア軍に向けて多連装ロケット砲からロケット弾を発射するウクライナ軍兵士ら(ロイター=共同)

ロシアの侵略を受けるウクライナ南部ザポロジエ州のマラシコ知事は2日、州内の集落カムイシェバハの集合住宅が露軍の砲撃を受け、民間人女性2人が死亡し、男女4人が負傷したと交流サイト(SNS)で発表した。一方、同州の6割超を支配する親露派勢力幹部、ロゴフ氏は同日、州内の港湾都市ベルジャンスクの港がウクライナ軍のミサイル攻撃を受け、9人が負傷したと主張した。

ロゴフ氏は、ウクライナ軍の攻撃には英国から供与された巡航ミサイル「ストームシャドー」が使用された可能性が高いとした。

ザポロジエ州は、露本土とロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島を結ぶ陸路の「回廊」の一部を構成する重要地域。ウクライナ軍が準備している本格的な反攻作戦の主目標となる可能性が指摘され、5月ごろから両国軍による長距離攻撃の応酬が激化している。両国軍は反攻を念頭に双方の拠点への攻撃を続けているとみられる。

ウクライナ軍の反攻に備え、ロシア側は5月、同州の前線付近から住民1万人以上を後方に移動させた。露軍は同州内に幅120キロ以上の防衛線を構築しているとも分析されている。

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