全国植樹祭に臨席するため、天皇、皇后両陛下は3日、特別機で岩手県に入られた。両陛下は花巻空港から同県陸前高田市に向かい、高田松原津波復興祈念公園で花を手向け、東日本大震災の犠牲者を悼まれた。代替わり後、両陛下が震災の被災地で慰霊に臨まれたのは初めて。
同日午後3時50分ごろ、公園に到着した両陛下は、高さ12・5メートルの防潮堤の上に設けられた「海を望む場」まで階段で上がり、海に向けてユリなどの花を手向け、深く拝礼された。
続いて、「奇跡の一本松」をご覧に。東日本大震災津波伝承館を訪れ、被災の実情や復興状況などについての展示などを見学し、被災者らと言葉を交わされた。伝承館で解説員として活動する人首(ひとかべ)ますよさん(58)に、天皇陛下は「自宅はどうでしたか」と被災状況についてご質問。皇后さまは「ご苦労をなさいましたね」と言葉をかけられていた。
夜には同市のホテルで、植樹祭に関連し、緑化を促すポスターを考案した児童、生徒に加え、緑化功労者らと懇談された。
両陛下は4日、植樹祭の式典に臨席するなどした後、帰京される。