関西で初の出力制御へ 4日、関西電力送配電が再エネ事業者に指示

関西電力本店=大阪市北区
関西電力本店=大阪市北区

関西電力子会社の関西電力送配電は3日、関西の太陽光・風力発電事業者に4日の稼働の一時停止を求める「出力制御」を指示した。4日午前9時~午後1時半の間で実施する。電力は需要と供給のバランスを取らなければ、大規模停電が発生するリスクがあるため。電力消費が多い関西での太陽光と風力の再生可能エネルギーの出力制御は初めて。

太陽光と風力の発電設備は年々増加し、関西の電力系統への接続済み設備量は今年4月末で718万キロワット。関電が福井県内で稼働させている原子力発電所の約6~9基分に相当する。

6月上旬は電力需要が比較的少ない時期。3日から休日で工場やオフィスの需要が減り、好天で太陽光発電の出力が伸びている。関西送配電は同日正午~午後4時、最大60万キロワットを他のエリアに送電した。ただ、4日は火力発電の制御などを行っても電力供給が需要を上回ると見込まれるため出力制御を実施する。

電力系統では需給バランスを取らなければ周波数が乱れ、大規模停電が発生する可能性がある。再エネの出力制御の指示はこれまでに大手電力10社のうち8社のエリアで実施。今年4月には中部と北陸が初めて行ったが、大都市圏で電力需要の多い東京と関西はまだ実施していなかった。(牛島要平)

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