即位後初めて来県された天皇、皇后両陛下のお姿を一目見ようと、両陛下の訪問先には多くの県民が詰めかけ、日の丸の小旗を振るなどして出迎えた。
知事から県の状況などについて説明を受けるため立ち寄られた釜石市の県釜石地区合同庁舎の駐車場内では50人以上が待ち受けた。午後零時半過ぎに車が到着すると、歓声が巻き起こり、日の丸の小旗を振って出迎えた。降車された両陛下はこれににこやかに手を振って応えられていた。
釜石市は平成23年の東日本大震災で甚大な被害を受けた。最前列で小旗を片手に目頭を押さえていたのは釜石市の女性(72)。
「震災で主人を亡くしました。今日は直に両陛下のお姿を見ようと来ました。初めてのことで、感動で涙が出てしまいました。同時に勇気をいただきました」と一言一言をかみしめるように話していた。
母親と一緒にやって来たという地元の会社員、菊池麻那さん(27)は「一度は近くで拝見したいと思って来ました。今日は天気にも恵まれ、皇后さまはとてもおきれいで感動してしまいました」と興奮冷めやらぬ様子だった。
同じ被災地の宮古市から休みを利用してきたのは長柴翔さん(35)。妻の麻希さん(35)の実家が合同庁舎裏で、3人の子供を連れた里帰りも兼ねていた。宮古市職員の長柴さんは「両陛下には被災地にいつもお気をかけていただき、本当にありがたい。今日はオーラを感じました」と話していた。