中国の中央軍事委員会連合参謀部の景建峰副参謀長は3日、オースティン米国防長官が台湾海峡の平和と安定を維持する決意を示した演説に対し「断固とした反対」を表明した。「台湾問題は中国の核心的利益だ。決して譲らない」と述べ、覇権を求める米国の安全保障政策が地域を不安定化していると非難した。
アジア安全保障会議が開かれているシンガポールで記者団の取材に応じた。景氏は南シナ海などを巡り中国を批判したオースティン氏の演説は「事実に基づいておらず、受け入れられない」と激しく反発。米中国防当局のハイレベル対話の再開は絶望的となった。
中国の李尚福国務委員兼国防相は3日、安保会議の昼食会でオースティン氏の斜め前の席が指定されたが、両氏が着席時に言葉を交わすことはなかった。米側が要請した正式な国防相会談を中国は拒否している。
景氏は「台湾は中国の神聖な不可分の領土だ」と強調。米国が台湾独立の動きをあおり、緊張を高めていると主張した。(共同)