記録的大雨に見舞われた浜松市や愛知県豊橋市の住民は、迫り来る水や土砂に不安な夜を過ごした。3日、明けてあらわになった水浸しの惨状に「雨が憎い」。汗を拭い片付けに打ち込もうとする姿に、やるせなさがにじんだ。
浜松市北区の平屋住宅が土砂にのまれた現場では、消防隊や警察官が手作業で行方不明者を捜索した。地元消防の幹部は「二次災害の危険性があり、少人数での作業にならざるを得ない」と険しい表情だった。
同市西区協和町では、崩れた住宅から男性が救助された。裏山の土砂が流れ込み、玄関部分は判別できないほどに。近くに住む野中芳美さん(72)は「雨は強かったが、まさか家がつぶれるような被害が出るとは」と声を震わせた。
愛知県豊橋市内で大きく蛇行する豊川。農地や住宅が点在する脇の平地は褐色の水に満ちていた。同市の岡田佳久さん(45)が経営するバイク店は床のタイルが散乱し、バイクや機材も泥だらけに。「1年は再開できない」と力なく話した。