浪速風

事実を見極めるリテラシー

著名政治家に関するデマについて、「正しい」と思っている人は、調査の結果、4~6割に上った=東京都千代田区、国会議事堂(本社ヘリから、川口良介撮影)
著名政治家に関するデマについて、「正しい」と思っている人は、調査の結果、4~6割に上った=東京都千代田区、国会議事堂(本社ヘリから、川口良介撮影)

古代ローマの政治家、カエサルの名言「人は見たいものしか見ない」は、思い込みや直感で非合理的な判断をしてしまう「確証バイアス」を指したものだが、これを裏付けるデータがあった。国際大GLOCOM(東京)の研究チームの調査では、政治的に極端だと自分のイデオロギーに有利なデマや「陰謀論」を信じやすい傾向があった。

▶15~69歳の男女1万3千人を対象に行われた調査では、保守・リベラル各層に親和性が高いと思われる「辻元(清美)議員の事務所に生卵が投げ込まれた事件は自作自演」「安倍(晋三)元首相の国葬、IOCバッハ会長の宿泊費を税金から支出」といった計6つのデマについて質問。見聞きしたことがあった人は26・4%、「正しい」と思っている人は4~6割に上った。

▶政治に高い関心を持ち、強い主張を持つのは悪いことではない。だが「事実かどうか」を見極められるリテラシーがなければ、「裸の王様」になりかねない。

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