北朝鮮の偵察衛星で緊急会合 安保理、北は反発

国連本部=米ニューヨーク(宮川浩和撮影)
国連本部=米ニューヨーク(宮川浩和撮影)

【ニューヨーク=平田雄介、ソウル=時吉達也】国連安全保障理事会は1日、北朝鮮の「軍事偵察衛星」発射に関する緊急公開会合を2日午後(日本時間3日未明)に開催すると発表した。国連のグテレス事務総長は「弾道ミサイル技術を使った打ち上げは安保理決議に反する」と衛星発射を批判している。

北朝鮮は2日、安保理決議違反だとしたグテレス氏に対し「断固糾弾する」と反発する談話を発表した。朝鮮中央通信が報じた。

談話は外務省のチョ・チョルス国際機構局長名で、グテレス氏が他国の衛星打ち上げを問題視せず、北朝鮮のみを非難していると主張。軍事偵察衛星の打ち上げは「主権国家の普遍的な防衛権行使」であり、グテレス氏の批判は「内政干渉」だと訴えた。

一方、国連総会(193カ国)は1日、カリブ海の島国トリニダード・トバゴのデニス・フランシス国連大使を9月5日から1年間の第78会期の議長に無投票で選出した。唯一の候補だった。ハンガリーのコロシ議長の後任となる。

フランシス氏は40年近い経験を持つ外交官。紛争や飢餓、貧困、気候変動など加盟国の利害が複雑に絡み合う課題の解決へ向けて、「和解と協力、共通の取り組みに向けた雰囲気を作りたい」と抱負を語った。

総会議長は国連の行事で演説する機会が多く、事務総長に次ぐ国連の顔。世界5地域の持ち回りで選ばれる。

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