西村康稔経済産業相は2日の閣議後会見で、7~8月に電力需給逼迫(ひっぱく)の可能性が懸念される東京電力管内について「無理のない範囲での節電をお願いしたい」と呼び掛けた。具体的な数値目標は設けない考えも示した。東電管内で夏に数値目標を設けない形の節電要請が出されるのは昨年に続き、2年連続となる。
経産省によると、10年に1度の厳しい暑さとなった場合の電力需要に対する供給余力(予備率)が、東電管内は7月が3・1%、8月が4・8%。安定供給に最低限必要な3%は上回ったが、大規模自然災害などで複数の発電所での運転停止やトラブルが発生すれば、需給バランスが崩れ、大規模停電(ブラックアウト)が起こる懸念も残る。
東電以外の9電力管内では7~8月の予備率は5%を上回ったが、電力需給が厳しくなった場合、節電協力を呼びかける可能性も残っている。
西村氏は、供給面では発電所を保有する事業者に、運転停止につながる事故やトラブルの防止徹底や、補修や点検の時期を需要が高まる夏場からずらすことなどを求める考えも示した。
加えて、西村氏はエアコンの掃除や冷蔵庫を冷やし過ぎないなどの具体例を挙げ、「少しずつできる範囲でやっていただければ、積み重ねれば大きな効果が出る」と利用者に訴えた。