ロシアの侵攻によるウクライナ危機の仲介外交を担当する中国政府の李輝ユーラシア事務特別代表は2日、北京で一部国内外メディアの取材に応じた。ウクライナと欧州各国、ロシアの歴訪を終え、当事国が和平協議のテーブルに着くには現状では「多くの困難がある」と認めた。ロシアの占領を容認する立場を示したとの米紙報道は否定した。
米ウォールストリート・ジャーナルは5月下旬、西側当局者らの話として、ウクライナ領土をロシアが占領したままの状態での即時停戦を李氏が提案したと報じた。李氏は「事実と異なる」と述べ、虚偽情報だと批判。ただ歴訪中、ウクライナからロシア軍が撤退する必要性に言及したかどうかは言明しなかった。
聞き取った各国の立場について今後「研究」を進めるとして、仲介外交の継続に意欲を表明。中国が関係国に再度、高官を派遣することもあり得るとした。(共同)