田中が貫禄の4連覇を果たした。陸上日本選手権の女子1500メートル決勝。序盤は集団の中で様子をうかがい、残り800メートルでスパートをかけて一気に飛び出すと、そのまま独走状態でゴール。「会場の雰囲気で気持ちを高めながら、楽しんで走ることができた」と充実感に浸った。
仕掛けるポイントは事前に考えていた通りだった。レース展開は思っていたよりもスローペースで、時折、自身が前に出る形になったのは想定外だったが「落ち着いて走ることができた」と自分の走りを見失うことなく駆け抜けた。
終盤まで力強く腕を振って走り切り「腕と足の連動ができてきている」とうなずく。これまで残り800メートルで飛び出したレースでは最後の1周で失速することが多かったというが「きょうはそこでも加速できたのでよかった」と結果以上の手応えを感じていた様子だった。
プロに転向した今季、出場は2種目に絞っていて、4日には2連覇をかけて5000メートルを走る。「スタミナを5000メートルでも生かす走りをしたい。また1500メートルで培ったスピードも見せたい」。自信をのぞかせながら、力強く語った。(大石豊佳)