昨年の出生率1・26 17年ぶり過去最低に 令和4年人口動態統計

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)

厚生労働省は2日、令和4年の人口動態統計(概数)を発表した。1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率は前年の確定値から0・05ポイント減の1・26となり、平成17年と並んで過去最低となった。出生率の下落は7年連続。1年間に生まれた子供の数(出生数)は77万747人(前年比4万875人減)で7年連続で過去最少を更新し、統計を取り始めた明治32年以来、初めて80万人を割り込んだ。

出生数から死亡数を引いた人口の自然増減は79万8214人の減で過去最大の減少幅となり、人口減が進む実態も浮き彫りになっている。

出生数を出産した女性の世代別に見ると、45歳未満の全世代で前年よりも減少した。第1子を出産した時点の女性の平均年齢は前年と同じ30・9歳で過去最高水準となり、晩産化も顕著になっている。

合計特殊出生率を都道府県別にみると、最も高かったのは沖縄県の1・70、以下宮崎県(1・63)、鳥取県(1・60)と続いた。逆に、最も低かったのは東京都で1・04。宮城県(1・09)、北海道(1・12)の順となり、西日本ほど高い「西高東低」の傾向が見られた。

一方、婚姻件数は前年より3740組増の50万4878組で、3年ぶりの増加となった。ただ、コロナ禍前の令和元年(59万9007組)からは約9万4千組も少なくなっている。平均初婚年齢は夫が31・1歳で、妻は29・7歳だった。離婚件数は前年より5288組減少し、17万9096組だった。

死亡数は前年より12万9105人増えた156万8961人となり、過去最多となった。

死因の1位はがんで24・6%を占めた。次いで心疾患(高血圧性を除く)が14・8%、老衰11・4%、脳血管疾患6・8%が続いた。新型コロナは4万7635人で、前年よりも3万869人増えた。

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