揮毫で名人実感、藤井荘での獲得「思い出に」 藤井名人が対局から一夜明け会見

名人戦の対局から一夜明け、会場となった「藤井荘」の玄関前で写真撮影に応じる藤井聡太名人=2日午前、長野県高山村(川口良介撮影)
名人戦の対局から一夜明け、会場となった「藤井荘」の玄関前で写真撮影に応じる藤井聡太名人=2日午前、長野県高山村(川口良介撮影)

将棋の第81期名人戦七番勝負の第5局に勝利し、名人獲得と7冠をいずれも史上最年少で達成した藤井聡太名人(20)=棋聖・竜王・王位・叡王・棋王・王将=が対局から一夜明けた2日、長野県高山村で会見し、「先ほど名人の肩書で色紙に揮毫(きごう)し、緊張感があった。獲得を実感した」と話した。

昨夜は午前0時頃に就寝し、2日は午前6時頃に起床した。師匠の杉本昌隆八段(54)から祝福のメールが届いたといい、「まだ返事ができていないのですが」と表情を和らげた。

名人戦の対局から一夜明け、会見に臨む藤井聡太名人=2日午前、長野県高山村(川口良介撮影)
名人戦の対局から一夜明け、会見に臨む藤井聡太名人=2日午前、長野県高山村(川口良介撮影)

対局場は老舗旅館「藤井荘」で、自身の名前に近い場所で名人位を得た。「偶然ではあるんですが、自分としても縁を感じることがあり、こういう所で獲得できたことは思い出になる」と話した。

5日開幕の第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負と、7月開幕の王位戦七番勝負でいずれも佐々木大地七段(28)を挑戦者に迎えた「十二番勝負」が迫る。「充実している強い相手。公式戦では久しぶりなので対局する中で内容を高めていけたら」と抱負を述べた。

全8冠のうち、保持していないのは王座のみとなった。「王座戦は挑戦まで長い道のりと思っており、意識する段階ではない。少しでも挑戦に近づけるよう頑張りたい」と改めて語った。


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