近畿日本ツーリストを傘下に持つKNT―CTホールディングス(HD)が1日発表した令和5年3月期連結決算は、最終損益が117億円の黒字(前期は57億円の赤字)だった。黒字は4年ぶり。政府の全国旅行支援を活用したツアーなどが好調だった。
近畿日本ツーリストが自治体から受託した新型コロナウイルスワクチン接種業務で過大請求していた問題を巡っては、KNT―CTHDが調査費用などとして9億円の特別損失を計上した。
また、会社側はこれまでの調査で過大請求額を約14億7千万円と見積もり、5年3月期連結売上高から減額した。5月に過大請求は最大約16億円に上る可能性があると公表していた。
6年3月期は、最終利益が74・6%減の30億円を予想した。過大請求問題による信用不安で団体旅行などが減るとみている。