与野党は1日の衆院憲法審査会で、前々回の参考人からの意見聴取を踏まえ、憲法に規定されている「参院の緊急集会」について改めて討議した。自民党や公明党などは緊急集会の権能には限界があるとして、改憲による国会議員の任期延長措置が必要だと強調した。立憲民主党は現状では不要だと訴えた。
衆院解散後の緊急事態に参院が国会機能を代行する緊急集会について、与党筆頭幹事を務める自民の新藤義孝氏は「二院制の機能を代替できるものではないことが明確になった」と強調。「議員任期延長をはじめとする緊急事態条項創設について、憲法審として総括的な論点整理を行ってはいかがか」と提案した。
公明の浜地雅一氏は長期に選挙実施が困難な場合は議員任期延長を認めるとの立場を説明し、「(投開票を延期する)繰り延べ投票を順次行っていくことは選挙の一体性の観点から許容できない」とも述べた。
一方、野党筆頭幹事を担う立民の中川正春氏は「現時点で議員任期の延長は必要ない」と指摘。「時の政権が悪用し、選挙で民意の審判を受けることを避けて、緊急事態を恒常化させてしまう危険がある」とも語った。