韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は5月31日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が睡眠障害を患っている上、体重が140キロ台半ばに増えたとの分析を国会情報委員会で報告した。出席議員が明らかにした。2021年10月には国情院が前年の約140キロから約20キロ減量したと報告しており、逆戻りしたことになる。ストレスなどで逆太りするリバウンドがあったのでは、と取り沙汰されている。
国情院は、外国製たばこや高級洋酒が北朝鮮に大量に持ち込まれ、金氏のニコチンとアルコールへの依存が一層強まり、不眠症が進む悪循環に陥っている可能性を指摘した。北朝鮮が不眠症に関する海外の医療情報を集中的に収集したことなどから判断した。金氏の体重については、本人の映像を人工知能(AI)を用いて分析、算出した。
国情院は、今年に入って北朝鮮のトウモロコシの価格が昨年同期より約6割、コメが約3割高騰したほか、餓死者が例年の3倍に増加し、自殺者が昨年より約4割増えたとの分析も示した。凶悪犯罪も急増し、手製爆弾を投げつけて物資を奪うといった組織犯罪も起きているという。住民生活が困窮する中で最高指導者が逆太りしていたことになる。(ソウル 桜井紀雄)