オードリー・ヘプバーン由来のサンダル、販売開始

特製サンダルを販売する新設のコーナー=奈良県大和高田市
特製サンダルを販売する新設のコーナー=奈良県大和高田市

奈良県大和高田市の川東(かわひがし)履物商店に、オードリー・ヘプバーンが名称の由来とされる「ヘップサンダル」のオリジナル商品を展示・販売する新拠点「ヘップランド」が2日、オープンする。同店の担当者は「奈良の地場産業でもある履物の文化を、新感覚で発信したい」と意気込んでいる。

同店は昭和27年創業で、履物を作る生地や糊(のり)など関連資材の卸売りを中心に手掛けてきた。市販される履物が安価な外国製品が主流となる中、4代目の川東宗時代表(33)が「良質な国産品をアピールしたい」とオリジナル商品の開発を発案した。

映画「ローマの休日」でオードリー・ヘプバーンが着用したことから名づけられたとされる「ヘップサンダル」なら広い世代にアピールできると思い立ち、令和2年に新ブランド「HEP」を立ち上げ。新型コロナウイルス下でネット中心の販売を始めた。

「ヘップランド」を立ち上げた川東宗時代表
「ヘップランド」を立ち上げた川東宗時代表

「HEP」のサンダルは甲の部分を合成皮革や本革で覆い、靴底は軽くて柔らかい樹脂素材やウレタンを使用。亀の甲羅のような形状に編み込んだ、シンプルで通気性のよいデザインをメインにした。

川東代表はアフターコロナも見据えて昨年春、「履き心地を直に試してもらいたい」と、敷地内に展示・販売スペースなどの新設を計画。クラウドファンディングで集まった約400万円の資金などで事務所を改装し、商品の販売コーナーを特設。来客がくつろいで試着し会話もできるように、畳敷きのスペースや喫茶コーナーも備えた。さらに別棟の資材置き場を改装し、新商品をアピールするコーナーを設けたほか、地元作家の創作展を催すギャラリーとしても活用する。

先月25、26日には内覧会を開催し、訪れた愛知県岡崎市のセレクトショップ経営、浅井千香子さん(47)は「町工場の中で新作を販売するユニークなアイデアが面白い」と話した。川東代表は「つっかけを履いてコンビニに行く感覚で、幅広い層に気軽に訪れてほしい。地域交流の場にもなれば」と期待を込めた。

毎週月、水、金の午後1~5時営業。問い合わせは、川東履物商店(0745・52・1601)。

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