衆院は1日の本会議で、与野党を批判する紙を壇上で掲げ不規則発言を繰り返したとして、れいわ新選組の櫛渕万里共同代表に対し、「登院停止10日間」を科す懲罰を賛成多数で決定した。櫛渕氏は10日まで衆院への立ち入りが禁じられる。立憲民主党、共産党、れいわは反対した。
国会議員への懲罰は国会法の規定で、重い順に「除名」「登院停止」「議場での陳謝」「戒告」の4種類がある。立民は5月31日の衆院懲罰委員会で櫛渕氏の処分内容について戒告を主張していた。
問題となった櫛渕氏の行為は、5月18日の本会議で鈴木俊一財務相への不信任決議案を採決する際、壇上で細田博之議長の制止にも従わず、「与党も野党も茶番!」と書かれたプラカードを掲げながら読み上げたもの。櫛渕氏は2月28日の本会議でも令和5年度予算案を採決した際、投票箱までゆっくり歩く「牛歩戦術」をとり、その後に厳重注意を受けていた。
今国会で議員に対する懲罰は、昨年の参院選で旧NHK党で初当選後、国会に一度も登院しなかったとして3月に除名処分となったガーシーこと東谷義和容疑者に続き、2人目となる。
衆院議員への懲罰は平成19年6月以来約16年ぶり。衆院厚生労働委員会で桜田義孝委員長を委員長席から引きずり下ろした民主党(当時)の内山晃衆院議員が30日間の登院停止の懲罰を科された。