大阪府市が実現を目指す国際金融都市構想をめぐり、新たに「モルガン・スタンレーMUFG証券」が進出したことが31日、分かった。府市は関西財界とともに、令和7年度までに海外の金融企業を中心に30社を誘致する目標を定めており、今回で4社目の進出となる。31日午後に正式発表する。
関係者によると、モルガン・スタンレーMUFG証券は東京に本社を置くが、5月に大阪市中央区にオフィスを構えた。大阪は事業継続計画(BCP)の拠点で、平時は東京での取引の決済や清算を行うが、大規模災害時などにバックアップの役割を果たす。
国際金融都市構想は金融分野で先進的な取り組みを推進して世界中から投資を呼び込み、ビジネス機会を生み出して大阪の飛躍につなげる狙いがある。大手であるモルガン・スタンレーMUFG証券の進出で海外からの金融企業の呼び込みに弾みがつくとみられる。
2月には1社目となる米投資ファンド、ベインキャピタルの日本法人が進出。4月には、いずれも金融とITを組み合わせたサービスなどを展開するフィンテック企業の「レイヤーエックス」(東京)と、カンボジア企業の日本法人「スペーシアネットジャパン」の進出が発表されている。
大阪府市は今後、法人税の減免などを進めて誘致を加速させる。(井上浩平)