「スマスイ」の愛称で親しまれてきた神戸市立須磨海浜水族園(同市須磨区)が31日、閉園した。最終営業日となったこの日、閉園セレモニー「笑顔と感謝のスマスイラストデー」が開かれ、66年の歴史に幕を下ろした。来年6月には、ホテルを併設した新しい水族館「神戸須磨シーワールド」が開業する予定。
同園は昭和32年に須磨水族館として開業。「東の上野(動物園)、西の須磨」と評された。62年にリニューアルし、現在の名称に変更。その後、設備の老朽化などから、神戸市が完全民営化して周辺を再整備する方針を決めた。サンケイビルなどの共同事業体が選ばれ、関西で唯一となるシャチの飼育展示などを目玉とする新施設の建設が進んでいる。
閉園セレモニーでは地元の小中高生らが踊りや演奏を披露したほか、ベテランのスタッフらがトークショーを実施。同園の飼育員、国本亜紀さんは「アナコンダやワニなどの危険な生物の飼育にドキドキしながら携わったことが印象に残っている」と振り返り、総支配人の中垣内(なかがいち)浩さんは新施設について「地域に密着した水族園というところは変わらない。『スマシー』と呼んでくれたらうれしい」と語った。
3歳の息子と夫と来園した神戸市中央区の前田裕美さん(42)は「保育園の遠足でよく来た。閉園は寂しいが、新施設の模型を見て来年の開業が楽しみになった」と話していた。