バイデン米政権は30日、米国で社会問題化している医療用麻薬フェンタニルの密造に関与したとして、中国やメキシコを拠点とする8企業・団体と9個人を制裁対象に指定した。中国企業はフェンタニルの錠剤を製造できる機器を供給していた。財務省が発表した。
ブリンケン国務長官は制裁対象者らが合法的な薬にそっくりの錠剤を密造していたと指摘。「共通の脅威に対処するため、意欲ある国々と一緒に取り組む」と強調した。制裁対象者は、米国内の資産が凍結され米国人との取引もできなくなる。
フェンタニルはがん患者の苦痛緩和のために開発された鎮痛薬。中国起源の化学物質がメキシコで合成され、米国に大量密輸されている。依存性が極めて高く、米国で過剰摂取の死者は2021年に約7万人に及んだ。(共同)