「モスクワの味」のキャッチフレーズで一時代を築いた「パルナス製菓」をテーマにした「パルナスカフェ」が6月2日、兵庫県宍粟市山崎町の咲ランドショッピングセンター内にオープンする。障害者の就労を支援する「ひょうご障害者福祉協同組合」(同県姫路市)が運営し、ピロシキをはじめさまざまなパルナスグッズを並べる。
パルナスカフェは、同組合がショッピングセンター内の1階フードコートで営業している「マイドリームキッチン」の一角にオープンする。
パルナスの名物だったピロシキを継承する大阪府豊中市の喫茶店「モンパルナス」から商品を仕入れ、揚げたてを提供。また、パルナス文化の継承に取り組む藤中健二さん(59)=兵庫県加西市=が主宰する「パルナス復刻委員会」が製造・販売するトートバッグやバッジ、マスキングテープなどさまざまなキャラクターグッズも並べる。
パルナスカフェを企画したのは、同組合営業部課長の野本宜信さん(63)。パルナス世代〟でピロシキへの熱い思いを持っていたこともあり、長年親交の深かったモンパルナス経営者の古角武司さん(63)と協議を重ねた結果、ピロシキの販売が認められた。さらに古角さんから藤中さんを紹介され、グッズ販売の話もまとまった。
カフェで働くのは、福祉施設利用者ら。野本さんは「『パルナスのピロシキを売る』ということが、利用者らの働きがいやモチベーションにつながればうれしい」と期待する。「軌道に乗れば、組合が運営する他店舗にパルナスカフェを増やしたい」との思いも。モンパルナスの許可が得られれば「ピロシキの主要な具材の卵や玉ねぎなどを地元食材で作って販売したい」と構想を描く。
「昭和の関西を代表する文化を絶やしたくない」と古角さん。「店が長続きするにはインパクトのある商品が必要。ぜひパルナスのピロシキを販売し、広めてほしい」とエールを送る。