松野博一官房長官が、原則平日の午前と午後、首相官邸で開かれる記者会見で、余計な答弁を控える姿勢を徹底している。会見は政府としての立場や見解などを示す場ではあるが、衆院解散を巡る政局について問われても「私個人の考えは控える」と踏み込んだ発言はしない。最近は、出席が増えた東京新聞社会部の望月衣塑子(いそこ)記者の追及も淡々とかわす「安全運転」ぶりが目立っている。
「仮定の質問や首相の専権事項である解散について、私個人の考えを答えることは差し控えさせていただく」
24日の記者会見。永田町で来月21日の今国会会期末までの衆院解散説がささやかれる中、松野氏は、野党が今国会に内閣不信任決議案を提出した場合、衆院解散の大義になるかと問われると、こう受け流した。
くしくも4年前の同日、記者会見で同じ趣旨の質問を受けた前首相の菅義偉元官房長官は「当然(大義に)なるのではないか」と答え、与野党をざわつかせた。