サッカー日本代表の三笘(みとま)薫(ブライトン)が30日、世界にその名をとどろかせたシーズンを終えて帰国した。帰国直後に都内で取材に応じ、「世界の最高峰を肌で感じた。自分の能力を上げていかないといけないと思い、少しでも成長できるようにやってきた」と穏やかに振り返った。
イングランド・プレミアリーグでも挑戦1年目から躍動した。主戦場のリーグ戦では33試合に出場して7得点、5アシストをマーク。香川(C大阪)と岡崎(シントトロイデン)が6得点で並んでいた同リーグの日本人シーズン最多得点記録を更新した。
ブライトンを昨季の9位から6位に押し上げる原動力となり、クラブ史上初となる欧州リーグ出場権獲得にも貢献。ビッグクラブからも目を付けられる存在となり、「ブライトンとの契約は残っているが、何が起こるか分からないのがサッカーの世界。いえることはあまりない」とキャリアアップにも含みを持たせた。
最も衝撃的だった試合の一つは、1月29日に行われたイングランド協会(FA)カップ4回戦のリバプール戦だ。後半ロスタイムに決勝点を奪ったのもさることながら、マッチアップしたイングランド代表DFアレクサンダーアーノルドを何度も置き去りにしたドリブルは圧巻だった。
カタールW杯の日本代表では全4試合に途中出場し、ゴールが必要な際のジョーカーとして起用された。期待には十二分に応えたとはいえ、望んでいるのはより長い出場時間。3月の代表戦は2試合とも先発に名を連ね、求められる役割は増している。
押しも押されもしない日本の顔となり、6月の2試合でも主力としての働きが期待される。「どれだけやれるのかという目で見られるので、しっかり結果を出さないといけない」。世界の三笘は現状に満足することなく、さらなる高みを目指す。(奥山次郎)