「arrows」「らくらくスマートフォン」のFCNTなど3社が民事再生

FCNTの「らくらくスマートフォン」シリーズの端末
FCNTの「らくらくスマートフォン」シリーズの端末

スマートフォン「arrows」シリーズや「らくらくスマートフォン」などを展開するFCNT(神奈川県大和市)と関連会社2社は30日、東京地裁に民事再生手続きを申請し、受理された。令和4年3月期の負債は3社合計の単純合算では約1431億円に上る。

FCNTは富士通の携帯電話事業が母体で、スマートフォンの出荷で国内3位。令和5年の国内企業の経営破綻の負債額では、4月に民事再生法の適用を申請したユニゾホールディングスの約1262億円を超え、最大規模となる。

帝国データバンクによると、3社の負債の内訳はFCNTが約733億6000万円、ジャパン・イーエム・ソリューションズ(JEMS、兵庫県加東市)が約367億9000万円、REINOWAホールディングス(神奈川県大和市)が約329億5600万円。

新型コロナウイルス禍で携帯電話ショップの営業時間が短縮され、販売が低迷したほか、低価格の機種を購入する消費者の増加で販売単価が下がり、半導体不足などが重なったことが響いた。

FCNTの令和4年3月期の売上高は約843億5500万円に対し、最終赤字を計上していた。JEMSの4年3月期の売上高は約695億5300万円にとどまっていた。

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