米ワシントン首都圏交通局が、地下鉄の次世代車両の連結部分に囲いのある通路を設け、乗客が車両を行き来できる構造にする方針であることが30日分かった。日立製作所グループに発注した車両に導入する方向で、実現すれば同交通局で初めて。混雑時に乗客を車両間で分散させ、乗降時間短縮などの効果を見込む。
連結部分を行き来できるようにした構造は日本では一般的だが、米国の地下鉄では珍しい。ワシントンを含めた米国の地下鉄車両の多くは連結部分に非常時の脱出用扉を設けているが、勝手に開けて隣の車両に移る乗客もいるため転落事故も懸念されてきた。
首都圏交通局のランディ・クラークCEOは次世代車両「8000系」について「設計を日立側と協議している。通路を導入する方向に進むだろう」と明らかにした。通路部分には扉を設けない構造にする計画で、火災などの非常時に乗客が他の車両に退避しやすくする。(共同)