東京ガスが令和12年に再エネ電源4倍へ、洋上風力に注力 笹山晋一社長インタビュー

インタビューに応じる東京ガスの笹山晋一社長=26日午後、東京都港区(斉藤佳憲撮影)
インタビューに応じる東京ガスの笹山晋一社長=26日午後、東京都港区(斉藤佳憲撮影)

都市ガス最大手の東京ガスの笹山晋一社長(60)は29日までに産経新聞のインタビューに応じ、同社が調達する再生可能エネルギー由来の電源を令和12(2030)年に600万キロワットと、直近の実績(163万3千キロワット)の約4倍に増やすと語った。現状は太陽光発電とバイオマス発電が中心だが、今後は洋上風力発電に注力して、国内と海外の比率もほぼ半々にする考えも示した。

笹山氏は洋上風力の技術の習得やコストダウンに取り組むことを強調。「1社でやるには(事業の)規模が大きい」と述べ、国内外の企業などと必要に応じて連携を組む方針も明言した。同社が出資し、風車を海底に固定しない浮体式で優れた技術を有する米プリンシプル・パワー社のノウハウも活用する。

東京ガスの再生可能エネルギー電源の取扱量
東京ガスの再生可能エネルギー電源の取扱量

今月19~21日に広島市で行われた先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)でも主要テーマとなった脱炭素化については「ヨーロッパ流のやり方だけではなく、いろいろな道筋があることが位置付けられたのは良かった」と話した。

インタビューに応じる東京ガスの笹山晋一社長=26日午後、東京都港区(斉藤佳憲撮影)
インタビューに応じる東京ガスの笹山晋一社長=26日午後、東京都港区(斉藤佳憲撮影)

ロシアのウクライナ侵略で問題となった液化天然ガス(LNG)の安定的な調達と脱炭素化の両立の重要性にも言及。二酸化炭素(CO2)と水素から都市ガスの主原料となるメタンを合成する「メタネーション」を進めるとしたうえで、水素やCO2を安価かつ安定的に調達できる有望地域として「米国でのプロジェクトを優先に考えている」と明かした。(永田岳彦)

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