経済産業省は30日、半導体やデジタル産業の成長戦略を検討する有識者会議を開き、令和3年に策定した「半導体・デジタル産業戦略」の改定案を提示した。人工知能(AI)向けの低消費電力型半導体の開発やデータセンターの新たな中核拠点の整備による地方分散を促す。次世代技術の確立や人材育成を通じて国内の製造体制を強化する。
改定案は、AI向けの高性能な低消費電力型半導体の供給力が鍵を握るとみて国内で開発拠点などを整備する必要性を指摘した。
膨大な情報処理を担うサーバーなどを置くデータセンターは現在、8割超が東京圏や関西圏に集中している。改定案では大規模災害や電力需給の観点から北海道と九州を新たな中核拠点として整備し、インフラ網をより強固にするとした。
産業育成面では、半導体や関連部品・素材を製造する企業の合計売上高を12年に2年の約3倍の15兆円とする目標や、官民で今後10年間に10兆円規模の追加投資をする必要があるとも指摘した。