ロシア国防省は30日、同日朝に首都モスクワの施設を標的としてウクライナが無人機8機による「テロ攻撃」を試みたものの、5機を撃墜したと主張した。残る3機も電子妨害により制御を失い、本来の目標には命中しなかったとした。一方、ロシアの侵略を受けるウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は同日、無人機攻撃へのウクライナの関与を否定した。
交流サイト(SNS)上には同日、無人機が衝突して損傷した集合住宅に救急隊が到着した様子や、野原に墜落した無人機が爆発した様子を撮影したとする複数の動画が投稿された。
モスクワのソビャニン市長は同日、無人機の衝突により複数の集合住宅が損傷を受け、市民2人が病院に搬送されたものの、ともに軽傷だとした。
露下院議員のヒンシュテイン氏は同日、制御を失った無人機が落下したとする場所3カ所をSNSに投稿した。露独立系メディアは「投稿が事実であれば、うち1カ所はプーチン露大統領の公邸から車で10分の距離だ」と指摘した。
ウクライナメディアによると、ポドリャク氏は「ウクライナを攻撃するために製造された無人機が露国内に舞い戻ったのではないか」などとコメントした。
ロシアはこれまでも露国内の空軍基地などにウクライナが無人機攻撃を仕掛けてきたと主張。5月3日にも露大統領府が所在するモスクワの宮殿クレムリンを狙ったウクライナの無人機を撃墜したとしていた。