中国で拘束4年、救う会が袁克勤氏の早期解放訴え

袁克勤氏の早期解放を訴える救う会の百瀬代表(中央)ら=30日午後3時8分、北海道庁(坂本隆浩撮影)
袁克勤氏の早期解放を訴える救う会の百瀬代表(中央)ら=30日午後3時8分、北海道庁(坂本隆浩撮影)

2019年5月に一時帰国した中国でスパイ容疑のため拘束され、その後起訴された中国籍の元北海道教育大教授、袁克勤(えん・こくきん)氏(67)を救う会が30日、北海道庁で記者会見し、「一日も早く解放してほしい」と訴えた。

袁氏は19年5月に実母の葬儀に参列するため、出身地の吉林省に一時帰国したが、翌月から連絡が取れなくなった。その後、中国外務省が20年3月に拘束を発表。21年4月には同省報道官が記者会見でスパイ容疑で起訴したことを明らかにしている。

道教育大の同僚らでつくる救う会は、拘束から4年が過ぎても「裁判の進展もなく判決もいまだに出ていない」と指摘。拘束期間が長期化している理由について「袁先生が獄死を覚悟しつつ、スパイ容疑の罪状を一切認めていないためと思われる」とし、中国政府に対し1日も早く法にのっとって釈放するよう訴えた。現在の袁氏については関係者の情報などから「健康だと考えている」という。

救う会はまた、新型コロナウイルス禍で中断していた日中の学術交流などが再開されつつある中、袁氏の拘束理由が明らかにされないことや、スパイ容疑で拘束される日本企業の関係者がいることから、「国籍にかかわらず多くの研究者が中国への渡航に二の足を踏まざるを得ない状況」と説明。日本で学術に大きく貢献してきた袁氏の早期解放とともに、安全な日中交流の復活を強くアピールした。

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