液体水素を燃料とするトヨタ自動車の水素エンジン車が28日、富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開かれた24時間耐久レースを完走した。液体水素搭載車では世界初。レース参戦は市販化に向けた開発の一環で、今後は車体の軽量化など改善を加速させる。
レースを走ったのはスポーツカー「GRカローラ」をベースとした車で、約4・5キロのコースを358周した。計画していた2回の部品交換に計約7時間を要したほか、ガソリン車よりも時間がかかる燃料補給を25回以上実施したため、順位は開発車の部門では最下位となった。
液体水素は温度をマイナス253度以下に保つ必要があり、従来レースで使ってきた気体水素よりも扱いが難しい。ただ水素ステーションを小型化することができるため、気体ではできなかったピットでの補給作業が可能となった。水素技術に強みを持つ岩谷産業が協力した。