今春闘は大手企業を中心に大幅な賃上げの回答が相次いだ。その波は非正規社員にも広がり、歴史的ともいえる「賃上げ春闘」となった。
4・01%と5・42%。連合傘下で最大の産業別労働組合「UAゼンセン」の4月末時点の賃上げ率だ。賃上げ率が2つあるのは正社員とパート社員で異なるからだ。正社員の賃上げ率の方が高いイメージがあるが、5・42%がパートの賃上げ率だ。
実は、UAゼンセンでパートの賃上げ率が正社員を上回るのは、平成28年から8年連続となる。UAゼンセンには流通や外食、サービスなどパートが多数を占める労組が加盟しており、松井健・労働条件局長によると「雇用形態格差を埋めるため、パートの賃上げは正社員を上回る要求を出してきた」のだという。賃上げ率は24年秋の結成以来、最高の水準となる。