最高賞監督、仏政権を批判 カンヌ映画祭、年金改革で

カンヌ国際映画祭で最高賞「パルムドール」を受賞し、記者会見するジュスティーヌ・トリエ監督(左)=27日、フランス・カンヌ(共同)
カンヌ国際映画祭で最高賞「パルムドール」を受賞し、記者会見するジュスティーヌ・トリエ監督(左)=27日、フランス・カンヌ(共同)

第76回カンヌ国際映画祭で最高賞「パルムドール」を受賞した「アナトミー・オブ・ア・フォール」のフランス人監督、ジュスティーヌ・トリエ氏(44)は27日、授賞式のスピーチで、年金制度改革を強行した自国のマクロン政権を強く批判、文化相がツイッターで反論し、異例の応酬となった。

トリエ監督は関係者への謝辞の後「私の喜びを伝えるだけで満足できない。年金改革に対する歴史的な抗議がショッキングな形で否認、抑圧された」と述べた。また「新自由主義的な政府が進める文化の商品化でフランスの文化的例外が壊されつつある」と強調。授賞式後の記者会見で、映画への公的補助が採算性で判断する傾向へ向かっていることを問題視する考えを説明した。

一方、アブドゥルマラク文化相は自国映画の最高賞受賞を祝福しつつ「あまりに不当なスピーチに仰天した。フランスの映画への資金支援モデルなしではこの映画は日の目を見なかっただろう」とツイートした。(共同)

会員限定記事会員サービス詳細