源氏物語を生んだ紫式部の生涯を描く令和6年放送のNHK大河ドラマ「光る君へ」の撮影が28日、平安神宮(京都市左京区)でクランクインした。紫式部を演じる吉高由里子さんと、時の最高権力者、藤原道長を演じる柄本佑(えもと・たすく)さんが撮影後に役柄の衣装で取材に応じ、「長い撮影に向けて、物語の舞台である京都でいいスタートを切れた」と声をそろえた。
この日は、宮中に仕える前の紫式部が初めて内裏に出かけるシーンや、藤原道長の初登場シーンなどが撮影された。
吉高さんは長袴(ながばかま)に袿(うちき)、表衣(おもてぎぬ)という姿で登場。紫式部については、「あまり明るくはないキャラクターという認識」だったというが、本作では「好奇心旺盛で多感な女の子。その成長とともに、源氏物語がどう描かれていくのか表現したい」と話した。
りりしい赤い武官束帯姿の柄本さんは、大石静さんの脚本を読み、「道長は牧歌的で割とのんびりしている。そんな普通の青年が最高権力者に行きつく。振り幅が大きく想像の余地がたくさんあるので、自分がどう表現できるか探っていきたい」と意気込んだ。
大石さんの脚本を、吉高さんは「日本の四季の風情や、おなごたちのイケメン探しから、ゾミゾミっとする野望まで、いろんな表情がある」と独特の言い回しで表現。ドラマでの紫式部と道長は「親友のような恋愛のような」関係性だといい、目線でやりとりして「心の声」で通じ合うシーンがあるなど、「情熱的な内容になっているので、楽しみにしてください」とアピールした。