将棋の藤井聡太叡王(20)=棋聖・竜王・王位・棋王・王将=に菅井竜也八段(31)が挑戦した第8期叡王戦五番勝負(不二家主催)の第4局は28日、岩手県宮古市で指され、2度の千日手(同一局面が4回出現し膠着(こうちゃく)状態になること)が成立し、再度の指し直しの末、後手の藤井叡王が90手で勝ち、対戦成績3勝1敗で3連覇を達成した。
藤井叡王はタイトル戦負けなしで獲得タイトルを通算14期とし、佐藤康光九段(53)を抜いて歴代単独7位となった。
午前9時に始まった本局は午前中に千日手が成立。指し直し局も午後6時32分、2度目の千日手となった。再度の指し直し局は藤井叡王が中盤以降、リードを広げ、最後はそのまま押し切った。
2度の千日手は、昨夏の第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局以来。
菅井八段は2期目のタイトル獲得はならなかった。
終局後、藤井叡王は「苦しいシリーズだった。その中で結果を出せたことはうれしい」、菅井八段は「残念な結果になってしまった。将棋としての精度が低かった」と、それぞれ語った。
藤井叡王は現在、渡辺明名人(39)に挑戦している名人戦で3勝1敗とリードしており、5月31日・6月1日に指される第5局で勝利すれば、最年少で名人獲得と史上2人目の7冠を達成する。