質問や指示を書き込むとまるで人間が答えているような自然な文章で回答を返してくれる対話型人工知能(AI)「チャットGPT」が話題だ。使い勝手の良さから国内でも急速に利用者が増えているが、回答に誤情報が含まれていたり、打ち込んだ個人情報が外部に漏れたりする恐れもある。われわれはどういう点に注意し、チャットGPTなどの生成AIを活用していくべきなのか。各分野の専門家に話を聞いた。このうち、パナソニックコネクトIT・デジタル推進本部シニアマネージャーの向野孔己氏は次の通り。
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膨大な学習データが必要な人工知能(AI)チャットサービスの導入は非常に大変だったが、チャットGPTはネット上のデータから学習済みで、企業が自社システムに組み込めるサービスとして提供された。パナソニックコネクトでは、2月から国内の全社員1万2500人を対象に導入した。
目的は業務生産性向上と社員のAIスキル向上の2つだ。例えば資料を作成しようとすると、①情報収集②情報の整理③原案の作成④仕上げ-という工程が必要になる。3番目の工程までAIに任せ、人は判断力が求められる仕上げに多くの時間を割くことで生産性が向上する。