時空を超え47人の空也上人が東京駅に大集合 来月には「動く」予告も

東京駅に大量に現れたご当地空也上人(福島徳撮影)
東京駅に大量に現れたご当地空也上人(福島徳撮影)

平安時代に念仏を唱え歩いた空也上人(くうやしょうにん、903~72年)。口から6体の阿弥陀仏が飛び出すような姿の像で知られる高僧が今、大量の分身となって東京駅に現れ、交流サイト(SNS)などで話題になっている。JR東海のキャンペーン「そうだ京都、行こう。」の一環で、同駅八重洲中央口では時空を超えた47人もの空也上人が〝上洛〟を促している。

平安時代中期、疫病が大流行した際に「南無阿弥陀仏」を唱えて全国を行脚したとされる空也上人。京都・六波羅蜜寺に伝わる有名な像は、重要文化財に指定されている。5月20日から開催中の「空也上人大集合展」では、この像の写真を使った47都道府県のご当地空也上人のパネルが林立。「んだ 京都さ、えぐ。」(青森県)、「ほうだ 京都、行かざ。」(山梨県)、「だーる 京都、行きましょうね。」(沖縄県)などと、お国言葉で語りかける。

会場には、これら47体以外にも、実寸大の模型や顔出しパネルも設置されている。

令和に復活した大量の空也上人への反響はすさまじく、あるツイッターへの投稿者には9・4万件の「いいね」と2・4万件のリツイートがあったほか、「え?明日東京駅行く!」「今すぐその場に見に行けないのが空也しい(悔しい)です。」といった反応も寄せられた。

会場では空也上人のアクリルスタンドやキーホルダーを連日配布しているが、24日には配布前から120人が列を作り、さらに25日には朝から400人が配布を待ったという。

JR東海によると、東海道新幹線の5月1~15日の利用状況は前年比30%増となったが、新型コロナウイルスの影響などを受けていない令和元年比では3%減。今回のキャンペーン効果でさらに新幹線利用を促していきたい考えで、「(六波羅蜜寺に展示されている)本物の空也上人立像にも会いに京都にきてほしい」としている。

企画展は6月18日までで、JR東海によると、同月17日には「動く空也上人が登場する予定」だという。(福島徳)

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