陸上自衛隊は27日、東富士演習場(静岡県御殿場市など)で、国内最大の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」(総火演)を実施した。訓練は昼夜2部構成で、島嶼(とうしょ)部への敵国部隊侵攻を想定し、陸海空3自衛隊による統合作戦による水際での阻止や制圧、奪還までの流れを確認した。
この日の訓練では、陸海空自衛隊を統合運用した情報収集や、ロシアによるウクライナ侵攻でも攻防の大きな要素となった電磁波領域での取り組みなどのデモンストレーションの後、精密誘導弾をはじめ主力装備による実弾射撃が行われた。また、敵軍地上部隊の上陸阻止から奪還までのシナリオに基づき、戦闘訓練を実施。V22オスプレイをはじめとする各種航空機や、空挺団、水陸機動団などが投入された。
夜間には、暗視装置や照明下での射撃訓練も予定されている。
今年度の訓練は約3400人の隊員が参加し、浜田靖一防衛相らが視察した。昭和36年に始まった総火演は、41年の一般公開開始以降、例年、多くの来場者を集めていたが、今年から一般公開を中止。インターネットではライブ配信を行っていた。