H5N8型ワクチン備蓄へ 新型インフル流行対策

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)

厚生労働省は26日、今後、起こり得る新型インフルエンザの流行対策として「H5N8型」のウイルスのワクチンを令和5年度から備蓄する方針を決めた。世界的に拡大しているH5N1型の高病原性鳥インフルエンザへの効果が期待できるため。専門家による感染症部会が同日了承した。

政府は、人の新型インフルエンザに変異する可能性が高い鳥インフルエンザのワクチンを平成18年度以降備蓄している。現在のH7N9型からH5N8型に切り替え最大1千万人分の備蓄を目指す。

H5N8型のウイルスは、流行中のH5N1型と系統が近く、世界保健機関(WHO)がワクチンの製造に使用可能だと確認していることから選んだ。

H5N1型の鳥インフルエンザは令和3年以降、世界中で鳥類に拡大。哺乳類のアザラシやミンクなどの他、人でも散発的に感染が報告され、死者も出ている。4年には北海道でキタキツネやタヌキの感染が確認された。

人から人への感染は確認されておらず、人で流行する可能性は低いとされる。

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