米国主導で進む有人月探査計画を念頭に、月面での食料生産などに関する研究開発を行う「宇宙園芸研究センター」が1月、国立大で唯一の園芸学部を持つ千葉大に開設された。低重力や低圧といった特殊環境での栽培に適した品種の探索や効果的な栽培方法、廃棄物の再利用を含む生産サイクルの確立などを目指す。宇宙園芸に特化した研究拠点は異例。「月面農場」実現の可能性を探った。
日本の園芸学を牽引
同大園芸学部は千葉県松戸市に置かれ、前身の県立園芸専門学校時代から100年以上の長い歴史を持つ。植物に関するさまざまな研究を展開し、多くの専門家を輩出してきたが、当然ながら研究の大半は地球上を前提としていた。