阪神の勢いが止まらない。今季2度目の7連勝で両リーグ最速の30勝に到達した。その原動力が先発の大竹だ。7回無失点で単独トップの6勝目を挙げた。規定投球回にはわずかに届いていないが、防御率0・40と安定感は抜群だ。
「(序盤は)調子がよくなかった。抑えようという欲が強過ぎた」と振り返った。そうした気持ちを抑えながら、丁寧にコーナーを突き、三回はぴしゃりと3者三振。打線の援護を待ちながら、腕を振り続けた。
0-0のまま迎えた七回、自らの打席で代打を送られた。渡辺諒が四球でつないで作った2死一、二塁のチャンスで近本が中前へ先制打。大竹は左拳を突き上げ、ベンチに戻ると、うれし涙があふれた。「一人はみんなのために、みんなは一人のためにというチームプレーを感じた」と充実感をにじませた。
岡田監督は「まだまだ勝つ。6勝どころとちゃう」と絶大の信頼を寄せる。ソフトバンクから現役ドラフトで移籍した左腕は30日に開幕するセ・パ交流戦でも楽しみな存在だ。(嶋田知加子)